歯医者から「歯科医師」へ

歯医者になって3年目。
ある患者さんから言われた一言。
「治療は早くてとにかく的確、技術もあるけど、あなた私の名前を知ってる?」
当時の私は答えることができませんでした。
そこからしばらくスランプになってしまい、これまでのようにまともに仕事ができなくなってしまいました。
3ヶ月後、その患者さんが私を指名して検診に来院されたのです。
私はその患者さんの名前を呼びました。
「ようやく覚えてくれたね」
「歯だけを見ないで、その人を見てあげて」
という、その患者さんの一言が、今も大事にしているモットーになっています。
その方は、2年後に亡くなられました。
遺言には私へ向けて「先生ありがとう」が書かれていたそうです。
それ以来、患者さんと向き合うことを第一に考えるようになり、単なる歯医者ではなく、「歯科医師」としての人生が始まったのです。